目が回る
ガレリオの名言
「それでも地球は回っている」
地動説をとなえたガレリオ・ガレリイの名言といわれています。
だって、ふつう、そんなこと考えられませんもの。
東からのぼったお日様が、西にしずむ。
回っているのは、お日様じゃん。
この大地が、動いているわけない。
ガレリオに先立つところのコペルニクスの地動説的見識も見事です。
科学は、バトンタッチしながら変化してゆく。
この大きな地球が、１日24時間に１回転です。
ものすごい、はやさです。
こんな発想、できますか。
よく、ふき飛ばされないものです。
だって、洗濯機の脱水槽の中にいるようなものですから。
たぶん、万有引力のおかげです。
地球の真ん中に引っぱられる力です。
ですから、地球が回っているなんて、ふだんは、まったく意識しません。
大地は、どっしりと静寂です。
ところが、平穏をたもてない事態が、ときにおこります。
ああ、回っている。
地球の自転とシンクロした瞬間。
ガレリオ脳になった瞬間。
目が回る
「目が回るんです」
「はい、地球も回ってますものね」
「いえ、回っているのは、目のほうです」
日本語は、奥がふかいです。
「目が回る」のひと言に、たくさんの意味がふくまれています。
グルグル
ユラユラ
フワッ
ヨロヨロ
回ったり
揺れたり
意識がとおのいたり
姿勢をたもてなかったり
すべて「目が回る」と表現されます。
一筋縄にはゆきません。
酔っ払っても、目が回る。
宿題がたまっても、目が回る。
借金がふえて、目が回る。
政治家の発言を聞いて、目が回る。
世の中、目の回ることばかり。
担当部署
目まいの担当部署があります。
現地事務所が、耳の奥の内耳。
中央本社が、脳の中の小脳と脳幹科。
というようなことを、西洋医学では教えています。
なので、目まいのさいは、担当部署の機能をみてゆきます。
現地事務所は、ちゃんと仕事ができてますか？
よもや、中央本社の機能に支障はないだろうな。
目まいで総合病院へゆくと、こういう調査が入ります。
これらのどこかがサボっていると判明した場合。
ちゃんと仕事をせえよ、という指導と指示がだされます。
おお、西洋医学の進歩の勝利。
無事にめまいの解決。
ああ、よかった。
となるケースが、じつは半分もゆかない、という事実が判明しています。
そう簡単に、めまいは解決しません。
じっさい、めまい診療はむつかしい。
みている方も、目がまわる。
すると、生理学を飛び越えて、思わぬ発言をうけることもあります。
「精神的なものじゃないですか」
「年をとったからですかね」
「あまり気にしすぎじゃないですか」
「時間が解決してくれるかも」
科学から、いっきにお祈りの世界に出戻ったみたいです。
なんだか、「手ぬき」感をおぼえる瞬間。
視点をかえる
そこで、コペルニクスさんの登場です。
ガレリオさんもご登場、です。
視点をかえてみる。
目がまわるときの姿勢をみてみます。
耳まわり
アゴ
クビの位置
肩
背中
ああ、強い引力がかかっているみたい。
姿勢が、かたむいていませんか。
キンチョーが働いていませんか。
キンチョーは、血流を低下させます。
低下した場所は、ときに水たまりをつくります。
水たまりを、むくみといいます。
耳にも、脳にも。
ならば、キンチョーがほぐれたら、どうなるでしょうか。
きっと、楽になる。
体に、「快」がうまれてきませんか。
ああ、体は疲れていたんだ。
がんばりつづけていたんだ。
よく働いてくれましたね。
でも、さすがに休みたくなっていたみたいだ。
そのサインが、めまいだったのかもしれない。
快の意味
ガンバリ世代には、「快」に後ろめたさをおぼえる方もいます。
そんなに、ガンバラないでください。
「快」の本質は何でしょうか？
求めるものです。
こうすると、気持ちいい。
こうすると、ツライ。
この２つがあった場合、どちらを選びますか。
快の方を、選びたいです。
だから、何もせずにゴロゴロを決めこむ。
本当に、それで気持ちいいですか。
いがいと、ゴロゴロは快に結びつきません。
かえって、だるくなって不快になりませんか。
めまいのとき、めまいだけ、ということは少ないです。
同時に、気になるところがあるようです。
大変だったところがあるようです。
そこを、気持ちよくしてみる。
すると、変化があらわれる。
めまいは、何を伝えたがっているんでしょうか。
そういう会話が必要かも、です。
