メニュー

花粉のはらい方

[2026.02.07]

空気中の微粒子

 

空気の成分は、地球上でほぼ一定です。

窒素 78%

酸素 21%

アルゴン 1%少々

 

化学の知識は、これで十分。

でも、おおきな見落としがあります。

空気中には、さまざまな微粒子がふくまれている、ということです。

 

それを総称して、「ホコリ」あるいは「チリ」といっていいかもしれません。

部屋の中へも、まってきます。

あるいは、ただよっている。

宇宙からも、降りそそいでいます、いわゆる宇宙塵。

 

変わらない風景」という表現があります。

たとえば、山の稜線。

長い年月には、雨や風で流れ去らないものだろうか。

標高は、年々、低くなってゆくものじゃないだろうか。

 

これが変わらない一因として、つねに降りそそいでくるチリがあるらしいです。

それほど、空気中には、チリがまじっています。

花粉も、そのひとつ。

 

 

 

 

 

自動おそうじ機能

 

人体にも、とうぜんチリは、ふりそそいでいます。

しかも、ふりそそぐだけではありません。

 

わたしたちは、「呼吸」という機能で、チリを吸いこんでいます。

24時間、休みなしに。

 

これって、考えてみれば、大変なことじゃないでしょうか。

チリも積もれば、山となってしまうのですから。

 

呼吸の終着点、肺胞にチリがつまってしまわないか。

あるいは、気道をふさいでしまわないか。

ゴミのたまった電気掃除機みたいに。

 

ところが、じっさいには、そんなことはおこりません。

肺は、寿命まで、ほとんどキレイなままです。

肺には、自動おそうじ機能がそなわっているからです。

 

 

 

 

肺の自動おそうじ機能

 

呼吸の入り口は、鼻です、ときどき口。

それ以外の入り口は、ありません。

そして気道をとおって、肺胞まですすみます。

そこで、Uターンして、もどる。

つまり、行き止まりの駅前ロータリーのような構造になっています。

 

鼻は、小さな繊毛とよばれるジュウタン状のうるおった粘膜でおおわれています。

のどの奥も、同じです。

肺にむかう長い気管の表面も、同様です。

肺の終点、肺胞にたどりつくまで、長い道のりがあります。
(十数回の分岐のすえに、肺胞にたどりつきます)

 

呼吸で吸いこまれた空気中のチリは、ほぼ100%この繊毛にとらえられます。

 

呼吸器系の粘膜と繊毛は、

・はりついたチリを分解する酵素粘液をだす

・粘液を、ノドへおくる動きをする

という自動運動機能をもっています。

 

こうしておくり出されたモノは、まとめて「タン」と表現されます。

平均して、1日のタンの量は、コップに1杯弱くらいといわれています。

 

これらは、無意識に飲みこみ、消化管で分解されてオシマイです。

ちょっと多いと、タンとして意識されることがありますが。

 

ですから、わたしたちはチリを意識しないでくらしています。

チリの掃除は、自然におこなわれているからです。

つねにチリをすい込んでいても。

 

 

 

 

テーヘンだ、テーヘンだ

 

すわ、大事件。

 

銭形平次の子分のガラッ八が、血相をかえて飛びこんできます。

「テーヘンだ、テーヘンだ、親分、テーヘンだ」

ここから、銭形平次の物語がはじまります。

 

このテーヘンだ現象が、さいきん増えています。

場所は、神田明神下ではなくて、呼吸器界隈です。

 

事件の主犯は、花粉です。

さわいでいるのは、ガラッ八ならぬ、ヒスタミン粒子です。

免疫細胞(マスト細胞)から分泌された集団です。

おきている事件は、花粉の異常排除騒動です。

 

免疫細胞は、花粉を「チリ」と認識しません。

「特別な敵」とみなして、攻撃排除指令をだします。

そうして出動される部隊が、ヒスタミン粒子です。
(ほかに、ロイコトリエン、トロンボキサンなどの親戚筋もでてきます)

 

ヒスタミン集団は、透明粘液をドバッとだして侵入してきた花粉をつつみこむと、一気にはき出させようとする行動にでます。

その結果、ハナからは、ハナ水がドバッ。

ハナの奥は、ノドに流出。

気道は、いきおいをつけてはき出させようと、咳コンコン。

ときに、一掃作戦と称して、クシャミの連発。

目の表面も、連動して、涙でウルウル。

これらを総称して、花粉排除運動といいます。

 

花粉は、ふつうの「チリ」ではない。

特別扱いすべき要注意物質なんだ、という免疫の認識によってです。

もちろん、これはあやまった認識です。

 

こうなった状態を、「花粉症」といいます。

ビックリ。

 

 

 

 

ヒスタミンの暴走を止めろ

 

花粉症の病態は、ヒスタミン粒子の暴走です。

 

なぜ、暴走、というのでしょうか。

それは、花粉は、本来はチリのひとつにすぎないからです。

特別視するものではありません。

強制排除する必要はありません。

吸いこんだって、自動おそうじ機能で十分キレイにできますから。

 

しかし実際には、免疫機構が、花粉を特別排除物質と認識しちゃっている。

そのため、せっせとヒスタミン粒子出動という行動にでてしまうのです。

このように免疫機能が変貌した状態が、「花粉症」です。

 

ならば、ヒスタミン粒子の暴走を止めろ。

西洋医学の発想です。

ここに登場するのが、「抗ヒスタミン剤」とよばれるものです。

ヒスタミンを作らせなくさせる薬剤です。

そして、その親類筋の面々。

これらを総称して「花粉症の薬」とよんでいます。

有名どころは、アレジオンとか、アレグラとか。

 

最近の創薬の進歩は、すばらしいです。

花粉症の薬は、ヒスタミンの暴走に、しっかりブレーキをかけてくれます。

ただし、原則、薬が効いている時間だけです。

12時間、あるいは24時間。

 

なぜ、永続的にヒスタミンのブレーキをかけてくれないのか。

それは、ヒスタミンは、花粉症専属の物質ではないからです。

 

本当に排除したいモノが侵入してきたら、ちゃんと出さなきゃいけません。

ヒスタミンは、ヒスタミンとして、本来の働きがあります。

そしてヒスタミンは、脳内活動物質としても働いています。
(ですから抗ヒスタミン剤は、脳内活動にもブレーキをかける)

単なる迷惑物質ではないから、ずっと制御はまずいんです。

 

 

なお、漢方に抗ヒスタミン作用をもつものは、ありません、たぶん。

ただし、ビチョビチョの鼻粘膜の水分を強力にさばくものはあります。

ヒスタミンではなく、余剰な水分に作用する生薬集です。

鼻のとおりが、スッキリします、眠くならずに。

 

 

 

 

免疫誤作動は、なぜおこるのか

 

そこで、あらためて免疫系の誤作動は、なぜおこるのでしょうか?

花粉症発症の原点です。

 

花粉症は、たぶん、そう古くからの病気ではありません。

春先の大名行列が、杉並木で、クシュン、クシュンの大連呼、という記録はないようです。

ここ数十年で、著増している病気です。

 

それは、花粉がかわってしまったから、でしょうか。

いえ、ヒトがかわった可能性があります。

ヒトがかわって、免疫機能がオカシな誤作動をするようになった。

 

それでは、何がかわったのでしょうか。

免疫にかんしては、つぎの2点をまずあげたい。
(あくまで、わたくしの考え)

 

ひとつは、からだの低体温化

もうひとつが、腸内細菌叢の変化

 

おフロに入って、花粉症状も、体も楽になりませんか。

なるなら、体は、低体温にあるということです。

免疫機能は、体温がさがればさがるほど、機能しにくくなります。
(ですから、感染症時など、免疫の活躍時には体温があがります)

 

甘いものが、好きじゃないですか。

腸内細菌叢の質を落とす大事な要因は、糖質のとり過ぎです。
(くわえて、さまざまな化学物質の摂取)

腸内細菌叢が、変わってしまった。

くわえて、減少しています。

そして腸内細菌叢は、免疫状態をつかさどる大集団です。

免疫中枢は、腸にあります。

 

この2点は、この数十年で、変化がいちじるしいです。

それが、免疫機能の誤作動に関与していないでしょうか。

ムカシ、免疫を専門にしていたワタクシの個人的な意見ですけど。

 

そして、免疫系の誤作動は、こと花粉症にとどまりません。

リウマチ性疾患とか。

さまざまな免疫変化の裏側に、冷えと糖質過剰あり。

 

 

 

 

提案

 

(1)からだをあたためましょう

あたたまれば、からだをめぐる血流も増して、快適になります。

もちろん、免疫クンもよろこびます。

 

(2)甘いもののとりすぎに注意しましょう

とくに、くだもの、お菓子、ジュース類。

 

(3)日にあたろう

免疫エネルギーは、太陽光線からつくられます。
(ビタミンD)

 

この3つで、免疫の誤作動は、改善の方向をむきませんか。

そのなかで、抽象的なのが、「体のあたため方」です。

食事のとり方

体の動かし方

がポイントです。

また、さまざまな状況下で、「漢方」は体をあたためる飲みものになります。

漢方製剤の半分以上は、体をあたためる飲みものです。

 

あたたまれば、ホワッとするのは「ココロ」だけじゃありません。

体も、です。

そして、免疫機能も、です。

ポカポカ生活で、花粉症にバイバイ。

 

 

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME