通りゃんせ
天神様の細道
通りゃんせ
通りゃんせ
ここはどこの細道じゃ
そう、天神様の細道です
ご用のないものは、通しゃせぬの道です
「お札をおさめにまいる」用があります。
ならば、通りゃんせ
でも、帰りはどうしましょう。
幼いころ、不思議な不気味感をおぼえた歌です。
天神様の細道は、2通りがあります。
通りゃんせ(お通りなさい)
通せんぼ
体の膜
体には、さまざまな「膜」があります。
ここでは、2つの膜についてかんがえてみます。
(1)脳ミソをつつむ膜(脳膜)
(2)関節をつつむ膜(関節包)
それぞれ、共通するものと、ことなることがあります。
共通するものとしては、どちらも「つつむ」働きをしていることです。
人体の、フロシキ。
脳をつつむフロシキが「脳膜」です。
関節をつつむフロシキが「関節包」です。
では、ことなることは何でしょうか。
それは、何を通すか、通さないかです。
通りゃんせするもの。
通せんぼするもの。
ここに、人体の各膜の特徴があらわれてきます。
1番キビしい膜
なんてったって、通りゃんせに1番キビしい膜。
それは、ダントツに「脳膜」です。
つまり、脳をつつむ膜。
ほとんで、すべてのものを「通せんぼ」します。
何物も、脳内に入れるべからず。
脳ミソは、つねに一定の環境を望んでいます。
雑多な出入りは、厳格に拒否します。
それでも、ひとはアタマがいいのか、そんなことでヘコたれません。
脳膜を「通りゃんせ」してくれる物質をみつけました。
それは「アルコール」です。
アルコールは、脳膜も通りゃんせです。
グングンと入ってゆける。
すると、脳ミソはある変化をうみます。
抑制がはずれる。
社会性がぬけてゆく。
その結果は、ご存知のとおり。
笑い上戸は、大笑い。
泣き上戸は、シクシク。
本性が、あらわれてきます。
自分は、歳をとったら、どんな人間になるか?
アルコールを飲んだあとの自分が、それです。
擬似ボケ体験ができる飲み物です。
炎症物質を通す膜
炎症とは、体の火事です。
熱をもった反応。
炎症が全身におよんだら、大変です。
全身の火事。
むかしの江戸の大火事みたいなものです。
細菌感染症による大火事は、敗血症とよばれます。
命にかかわる状態。
火事の延焼をふせぐために、防火帯をつくることがあります。
火の気が飛ばないようにする工夫です。
体のフロシキである膜も、防火帯のひとつです。
炎症を防ぐ。
脳ミソまで炎症がおよんじゃったら、大事件ですから。
ところが、関節のフロシキ(関節包)だけは、炎症を通します。
通りゃんせ(お通りなさい)
通りゃんせ(お通りなさい)
炎症物質のひとつの例。
強いカゼ。
たとえば、インフルエンザ。
インフルエンザは、いっぱんに強い炎症反応をおこします。
高い熱がでる、ということです。
体の各フロシキは、その炎症物質を入れまいとガンバる。
ところが、関節のフロシキだけは、炎症物質を入れちゃうんですね。
通りゃんせ
通りゃんせ
その結果が、ご存知の通り。
フシブシが痛む、ということです。
とうぜん、動くのがキツくなります。
各関節が、イタタとなるわけですから。
カゼかな、と思って病院へいくとこんな質問されます。
「フシブシは痛みませんか?」
それは、炎症の程度をさぐるための質問です。
でも、なぜ体は炎症物質を関節内に通しちゃうのでしょうか?
関節のフロシキは、炎症物質を通せんぼしてくれないのでしょうか?
体の失敗でしょうか。
神サマは、まちがえない
インフルエンザの養生は、どうしたらよいでしょうか。
神サマは、ちゃんと考えていました。
あたたかくして、静かに休みなさい。
それが、いちばんの養生法です。
とくに、人間以外の生き物の常識です。
なぜでしょうか。
いちばん免疫力が発揮できるからです。
そのために、神サマはちゃんと体をしつらえました。
フシブシが痛くなる
→無理せずに、休みなさい。
ゾクゾク寒くなる(体温計はあがりますが)
→あたたまりなさい。
神サマは直接、声をだしません。
世界には、いろんな言語があるからでしょうか?
コトバではなく、体に直接かたりかけています。
これが神サマの養生法です。
体って、ものすごく素敵にできていると思いませんか。
神サマの声を聞いていますか?
最近、その声を聞かない方がふえています。
フシブシが痛い
→痛みをはやく蹴散らせたい。
だから、痛み止めを飲もう。
体温計の数値があがっている
→体温をさげる薬を使おう。
その結果、遠回りをしてしまうこともあります。
神サマの声に逆行する行動が、はやっていますが。
どちらを選びましょうか。
漢方は、神サマの声にのっとる道を選んでいます。