盆踊りの威力
夏の定番
夏、といったら、盆踊りです。
という文化が、数十年前までありました。
過去形でいわなくてならないのが、悲しいです。
盆踊りって、何?
そういう世代のかたが、増えています。
経験しなくては、知りようもありません。
同時にこれは、盆踊りをおどれるかたの減少も意味しています。
いまや盆踊りは、絶滅危惧種のひとつです。
このままで、よいのでしょうか。
盆踊り、見直しませんか?
夏の狂気
盆踊りがはじまれば、何時間も、おどりつづける。
場所によっては、一晩中おとりつづけるところもありました。
三日三晩おどりつづける、なんてところまで。
むかしのひとは、好きだったんだね。
ほかに娯楽がないから、できたのかね。
でも、もう社会は変わったからね。
そんなふうに、時代を切りすてないでください。
なぜ、そんなにも長い時間を、おどりつづけられたのでしょうか。
ゆかたに下駄くらいの装束で、です。
ものすごい体力ですね。
いえ、体力の問題ではありません。
長くおどれる秘密が、盆踊りに隠されていたとしたら。
盆踊り、あまくみないでください。
つながり
体は、すべてがつながっています。
アシの先から、手の先までです。
このつながりは、一定のハリをつくっています。
張力ともいいます。
それによって、2本足で立つことができます。
それによって、歩いたり、しゃがんだりができます。
体のつながりを、感じていますか?
体のつながりを感じないかたが増えている時代です。
感じないだけじゃなく、忘れてしまっています。
体の分断。
その結果、どうなっているでしょうか。
首がはる。
背中が曲がる。
腰が曲がる。
腰がはる。
股関節がのびない。
膝が曲がる。
膝が痛む。
足首がかたい。
つまずきやすい。
それでも、立って、がんばっています。
でも、体のあちこちからキシミが生じてきます。
キシミは、痛みを連れてきます。
体の分断が生んだ症状です。
つなげてみませんか?
ということで、体のつながりを、とりもどしてみましょう。
で、どうしたらよいでしょうか。
手をたたく。
手をひろげる。
うでをあげる。
腰をひねる。
脚をだして、ひいてみる。
そんな日常から忘れがちな動きをしてみる。
すると、だんだんと、体につながりがよみがえってきます。
どういう順番ですればいいですか
順番なんて、ご自由にです。
でも、一連の流れがあります。
この両者をかねそなえた行為が、盆踊りです(笑)。
知らないかたは、盆踊りの動画を見てください。
すべてが、体をつなげる動作になってゆきませんか。
次から次へと、つながりをうむ動作。
しかも、そんなに難易度は高くはありません。
ほら、『東京音頭』とか『炭坑節』とか。
だれだって加われるのが、盆踊りのよさですから。
それこそ、老若男女。
(阿波踊りみたいな、難易度タカそー、というのもありますが)
盆踊りは、体のつながりをメインテナンスする動きでなりたっていました。
日頃の重労働。
かつては、すべてが人力でした。
とうぜん、疲れがたまってきます。
でも、盆踊りで、体のリフレッシュ。
くわえて、盆踊り自体が、体をつなぐ行為です。
ですから、長時間の踊りも可能になるのです。
盆踊りは、いっしょにおどる人との和とつながりを生む。
だけでは、なかったんですね。
自分の中で、自分の体をつなげる魔法の動作が入っていました。
体の痛みに、何か特別なリハビリメニューはありますか?
だいじょうぶ、盆踊りがある。
(わたくし説)
疲れたときこそ
体が、痛む。
ああ、疲れた。
背が、ちぢんじゃった。
そこに、体のつながりの変化が生じていませんか。
生じていたと感じたら、リセット動作。
そのひとつが、盆踊りです(苦笑)。
家の廊下でまずおどってみるもよし。
公民館でやるもよし。
わがクリニック内でも、やってみたいな。
おどれば、体に新しい回路(つながり)が生まれます。
スッキリします。
なんと、ご当地安中には、『安中音頭』もあります。
消えてしまわないうちに。
おどれる人が、いなくならないうちに。
盆踊り、楽しみませんか?
寝ているより、元気がでますよ。
大切な文化とともに、くらしの知恵です。