むくんだ?太った?
むくみで太る
むくんでいるのか。
太っているのか。
この2つは別ものです。
区別はたやすい(はず)。
むくみは、細胞内や細胞間に、よぶんな塩水がたまっている状態です。
水をすって、ふくらんだ綿のイメージ。
押して、水を出しちゃえば、へこむ。
太るのは、脂肪細胞が脂肪をたくわえて、肥えている状態です。
アブラのかたまりの集合体です。
押しても、たやすくは、へこまない。
アブラの正体は、中性脂肪です。
そして中性脂肪の主成分は、「糖」です。
糖をかためると、中性脂肪になるからです。
アブラが主原料ではありません。
ここは、しばしば誤解されています。
「塩水」と「糖」とのちがい。
これが、「むくみ」と「太り」の本質的なちがいです。
ぜんぜん、別のものです。
むくみの変身
むくみは、塩水のたまったもの。
そして、塩水は血液の一成分です。
血液がとどこおると、塩水がしみ出る。
けっこう単純です。
ですから、むくみの解消には、塩水を減らせばいいだけです。
ところが、です。
むくみは、時間とともに変化をはじめます。
というのは、むくみの場所は、血液の流れが、停滞しているからです。
その結果、組織の維持がむつかしくなっています。
組織は、血流を失い、だんだんと活気をなくしてゆきます。
やわらかさが、なくなってゆきます。
その結果、かたくなってゆきます。
最初は、むくみはプニプニ。
おせば、へこんでゆきます。
しだいに、おしてもビクともしなくなります。
パツパツ。
こうなりますと、むくみと太ったのと区別がつきにくくなります。
ここは、むくんでいるのか。
太っているのか。
参考になるのは、テリトリー(領土)です。
テリトリー
組織が、ふくれて、パツパツにかたくなってゆく。
これは、最終的に「むくみ」でも「太る」でも、同じです。
ところが、おこりやすい場所がちがいます。
むくみは、足もとからはじまりやすい。
それは、重力のためです。
下から、はじまる。
脂肪をためるのは、オナカからです。
ためやすい構造をしているからです。
ハラから、はじまる。
むくみを甘くみない
むくみを、甘くみないでください。
正体が塩水だから、です。
しょっぱくみてください。
そういう、はなしではありません。
むくみは、塩水がたまっているだけ。
なので、少々、重いのをガマンすれば何とかなる。
正座ができなくなっても、イス生活がある。
という発想ではいけません。
というのは、むくみは血流を阻害しているからです。
血管が圧迫されますから。
血流がおちる、というのは、どんなときも由々しき問題です。
つまり、組織の活動が低下することだからです。
つまり、生きずらくなる。
なんて、抽象的にとらえない方がいいかもしれません。
いくつかの具体例です。
疲れやすい。
だるい。
冷える。
痛い。
肌の色が悪くなる。
お肌のハリがなくなる。
重い。
動きにくい。
動作がにぶくなる。
夜間頻尿。
ねむりが浅くなる。
むくんでいるところだけじゃなく、「全身」に影響がおよんでゆきます。
いがいと、忘られやすい点です。
なのに、むくみが主役に立つことは、まずありません。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症なんかは、華やかですけどね。
たいがいが、スルーされてしまう存在です。
あるいは、仕方がないですまされる。
むくみへのアプローチ
むくみを、よくする方法。
塩水がたまっているんだから、オシッコにして出せばいい。
そう「利尿剤」ね。
よくある発想です。
ところが、これが実に効かないんですね(泣)。
だって、むくみの場所には作用しませんから。
利尿剤は、腎臓というところの薬です。
現場は何もかわらない、ということです。
教室が荒れちゃった状況を、職員室で議論しているようなもの。
戦況を、大本営が判断しているようなもの。
事件は、現場でおきている。
長くむくんでいる現場は、どうなっているでしょうか。
まず、血が通わなくなっています。
固まっていますから。
血管がなくなっている。
ですから、血管を育ててゆかねばなりません。
同時に、血がとどこおっています。
渋滞。
なので、血管の中をスッキリさせなくてはなりません。
基本は、現場主義。
現場が変わらずして、変化なし。
こういう働きは、生薬が得意です。
不思議ですね。
つまり漢方です。
むくみが解消するだけで、体はこんなにも楽になるのか。
夜がぐっすり寝られるのか。
いちど、体験してみませんか。
くれぐれも、むくみを甘くみないでください。