メニュー

漢方の効能、チンプンカンプン

[2025.02.16]

降参です

 

これは、日本語ですか?

これを書いたのは、日本人ですか?

そうツッコミたくなる文章があります。

 

代表例が、法律文書です。

わたしの読解力のなさもありますが、チンプンカンプン。

 

パソコンやスマホの説明書

これもやはり、チンプンカンプン。

 

お役所からとどく文書も、なかなかにチンプンカンプン。

 

って、読解力なさすぎです。

ボケも深まってまいりました(自覚あり)。

 

 

 

 

 

薬の世界

 

 

保険適応の医薬品は、キッチリと「効能」が定められれています。

適応疾患ともいいます。

なにしろ、保険でまかなうのですから、イーカゲンではこまります。

 

その「効能」通りに使用すること。

保険診療の基本です。

 

ここからはずれた使用法は、保険が適応されません。

どうしても使いたくなったら、「全額自費」しかありません。

いがいにシビアな世界です。

 

漢方薬も、例外ではありません。

漢方薬にも、しっかりと「効能」が定められています。

効能」にそって使うこと。

 

しかし、です。

効能」の意味がわかりません。

漢方の「効能」って、じつにチンプンカンプン

どう使ったらいいの?

ここで、読解力のなさが露見されてしまいます。

読みとれない。

 

 

 

 

たとえば、黄蓮解毒湯(ツムラ15番)

 

効能」を読んでみます。

いちばんメジャーな、ツムラ漢方の公表する「効能」です。

 

「比較的体力があり、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらする傾向のある次の症状:

鼻出血、高血圧、不眠症、ノイローゼ、胃炎、二日酔、血の道症、めまい、動悸、湿疹・皮膚炎・皮膚装用症」

 

なんのこっちゃ?

 

体力って、どうみるの?

のぼせぎみって、どう判断するの?

顔色っていっても、個性ありませんか?

いらいらを、どうみつけるの?

 

ノイローゼって、古くないですか?

血の道症って、何の道?

不眠症でも、体力がないひとはダメなの?

たくさんの適応病名、これって万能薬?

 

この「効能」で使いこなせる人、天才です。
(おちゃらかし)

 

最近では、服用者自身も、ネットなどから容易に「効能」を確認することができます。

「自分は、どこに当てはまるの?」

「自分は、そんな人間じゃない!」

うーん、せちがらい世の中。

 

 

 

 

歴史

 

わが国の漢方は、江戸時代に、独自の進化をとげてゆきます。

ものすごく高い完成度。

 

ところが、明治政府は、漢方を一刀両断に切りすてます。

漢方は、医学と認めず。

西洋医学1本にしぼる。

 

そのため、漢方は暗黒時代に突入しました。

 

とざされた漢方に、ふたたび火がともされるのは、太平洋戦争後になります。

昭和42年には、148種の医療用漢方エキス製剤が保険適応になります。

保険適応」です。

いそいで「効能」をまとめなくちゃなりません。

 

その半分ドサクサの中、まとめられたのが、現在の漢方の「効能」です。

半分、江戸が入っています。

そして多分に、男の視点。

時代がかっているのも、仕方がないかもしれません。

 

科学的な面からいうと、現代の解剖・生理・病理学的な内容は、ほとんど反映されていません。

はやいはなし、古くさい

 

だったら、改訂すればいいじゃん。

いや、改訂はなかなか大変なんです。

臨床試験などを経なければ、変えられないからです。

 

 

 

 

 

もっと大切なこと

 

漢方の「効能書き」は古っくさい。

この事実を、まず認識しておきたいと思います。

 

それにもまして、もっと「大切」なことがあります。
(わたくしの個人的見解)

 

現代は、「人間自体が変わっている」ということです。

 

江戸時代の人間とは、ちがう生きものです。

さらには、葛根湯が生まれた1800年前の人間とは、もっとちがう生きものだということです。

現代人は、江戸人や古代人とは、まったくの「別モノ」です。

 

活動量がちがう。

たべるものが、圧倒的にちがう。
(とくに人工物の比率)

住む環境もちがう。

 

強引にいってしまうと、現代人は、昔の人より圧倒的に弱っちいし、人工的だということです。

昔の「効能」は、そのまま通用しません。

 

つまりです。

効能書き」は、現代医療に適合していない。

対象となる人間自体も、昔と同じ人間じゃない。

 

と、ほとんど漢方の土台が崩れさるような事実を押さえておきたいです。

ですが、それでも「漢方」という生薬たちの組み合わせは天才的です。

 

 

現代人が、昔のひとと同じじゃなくても、同じ人間ですから。

ただ、そのためには現代に見合った漢方の発想が必要となります。

 

新しい現代漢方の実践。

こうなって、はじめて使える漢方です。

この輪がひろがってくれれば、うれしいです。

 

 

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME