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痛みの正体

[2024.07.15]

単純に

 

痛みの正体は、なんでしょうか?
あんがい、この本質が忘れられているように感じます。

ですから、まずは、痛みの正体からハッキリさせておきましょう。
正体を知らなくては、有効な対応は立てられません。

 

痛みの正体は、「痛み物質」です。
それは、血液のなかにひそんでいます。

痛み物質が、産生されます。
その痛み物質を、その場の神経感じとると、産生された場所で「痛い」と感じます。

 

「火のないところに煙はたたず」
痛みの物語は、痛み物質からはじまります。

 

それでは、どうしたら痛み物質はつくられるんでしょうか?
それは、「血の流れ」が、とどこおったら、です。

つまり、血流の停止です。
血液は、流れが止まると、痛み物質をつくります。
それも、たちどころにです。

 

つまり、3つのポイントで、とらえましょう。

 

血液の流れが停止(血流)

     ↓

痛み物質の産生(物質)

     ↓

そこで痛みと感じる(神経)

 

 

そして、血流は全身にめぐっています。
くわえて、神経ネットワークは、全身にはりめぐらされています。
ですから、全身どこでも痛み物質さえ生じれば、痛みを感じます。


ただし、脳ミソの中だけは、この神経がありません。
ですから、脳ミソの中だけは、痛みを察知できません。

 

ものすごく単純化しています。
単純化しすぎじゃないか?

 

たしかに、単純な痛みも、くり返したり長引くと、だんだんと記憶や感情のネットワークにのって複雑化もします。

またすべて100%の痛みが、この機序でもありません。
たとえば、たき火の煙をあびた瞬間に目にかんじる痛みの機序とか。
いわゆる、痛み物質は、別の次元でもありうるわけです。

でも、それは先のはなしです。
まずは原則から入ってゆきましょう。

 

 

 

 

 

単純は、エラい

 

痛みのネットワーク、これじゃ単純すぎないか。

いえ、単純なことが大事なんです。
単純だからこそ、どこでも作用できるのです。

手の先でも
オナカの中でも
肩でも

 

そして単純だからこそ、使い続けられるのです。

赤チャン時代から
成人になっても
年を重ねても

 

むつかしかったり、複雑だったら、こうはいきません。
これって、電化製品に似ていませんか。
昔の単純なものの方が、使い勝手がよくて、長持ちしました。

 

 

 

 

具体例

 

心臓の血流がとどこおる。
うー、心臓が痛む。
これが狭心症(心筋梗塞)です。

 

指を包丁で切ってしまった。
出血している。
つまり血流が破綻。
痛い、痛い。

 

ころんで、足首を捻挫しちゃった。
足首の小血管はブチブチ破壊された状態。
だから、痛い。

 

ガン細胞集団は、炎症をともない血流をとどこおらせる
すると、痛む。

 

腰が痛む
腰の骨が曲がっているから、といわれている。
いえ、腰の血流がさえぎられているからです。
流れだせば、痛み物質はなくなります。

 

 

 

 

痛みの意味

 

なぜ体は、痛みというシステムをつくったのでしょうか。

それは、生きてゆくためのシステムです。

 

生命現象の中心は、血流です。
血流にのって、生命現象がいとなまれています。
血流のないところで、細胞現象はいとなめません。

そして、体のすべての血流が止まれば、ナムナムです。

 

ですから、血流の障害が生じた、とします。
これは、そのまま「生命の危機」です。

という理由で、痛み物質を作って体の危機を伝えよう。
つまり、危機発生の「のろし」です。

痛み物質は、しゃべれません。
だから、「痛み」というメッセージを発するのです。

 

そして、痛みを感じないようにしてもらおう。
つまり、はやく血流をもどしてもらおう。
多くは、安静です。
なぜなら、安静が修復に役立つからです。

 

このようにして、自分から血流を回復させるしくみ。
もっといえば、体の危機をのりこえるしくみ。
組織の破壊をなおそうとするしくみ。
これによって、わたしたちは生きつづけられます。

 

先天的に、痛みを感じられない方がいます。
ほとんど、成人まで生きのびられません。
小さな傷も重症化してしまうからです。
自身の血流障害(危機)を、痛みとして、察知できないからです。

 

 

 

 

痛みのつきあい方

 

だから、痛みとは友だちです。
痛みと、仲よくなりましょう。
では、ありません。

 

痛みは、体の生きてゆくための不愉快な訴えです。
ですが、生きてゆくための伴侶です。

ちゃんと、つきあうことが大事だと思います。

 

ですから、まず耳をかたむける
どうして、痛みのメッセージを投げかけるのですか?
そうか、そこで血流の障害がおきているんだね。

 

体は、そこをなおしてほしいと訴えているんです。
具体的には、血流が安定するように。

そういう体からの声を、聞いていますか?
声に、答えていますか?

痛みの訴えは、ただ消せばいい、ではないと思います。
たとえば、痛み止めですまそう、とだけで。

 

血流の回復なしに、痛みの回復はありません。
これが、大原則です。

 

痛み止め(ロキソニンやカロナールなど)は、血流をなおす薬ではありません。
炎症(火事)を消そうとする薬です。
ですから、体を冷やす薬です。
解熱剤、というユエンです。

ですから、冷えた痛みには、効果がないというより逆作用です。

冷やすと、血管はちぢこまり、血流は減ります
逆に、おフロなどであたたまると、血流は増加します。

薬の使い方には、注意が必要です。

 

さあ、どうやったら血流は安定するでしょうか。
ちゃんと流れてくれるでしょうか。
これが、痛みへのアプローチ法の基本です。

 

 

 

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